MIS・人工関節置換術

MIS(最小侵襲)人工股関節置換術とは

MIS(エム・アイ・エス)-Minimally Invasive Surgery-

MISとは、通常より小さな皮膚切開による新しい人工股関節置換術のことです。

日本では最小侵襲手術・極小侵襲手術・小切開手術等の訳語が使われます。

人工股関節置換術は、変形性股関節症・大腿骨頭壊死症・関節リウマチ等の疾患による股関節の障害の治療に行われ、世界中で年間およそ50万件行われています。

とくに2箇所切開する人工股関節置換術は非常に難しい手術で、海外では広く行われていますが、日本では未だ特別なトレーニングを受け、ライセンスを取得した限られた医師のうち数名だけが施行している手術です。

利点として筋肉や腱を切離せず手術のダメージを非常に少なくすることで、術後リハビリの早期開始・早期退院、そして早期に日常生活へ復帰できる手術です。

MIS(最小侵襲)人工股関節置換術とは

手術について

入院期間

入院期間

個人差はありますが、術後14日ほどの短期間で退院できますので医療費も安く済みます。

MISは100%保険診療です。

障害者自立支援医療や高額療養費の申請をすることで自己負担額がさらに少なく済みます。

手術する病院

残念ながら当院には手術ができる充分なスペースがございません。

ですので手術は大阪大学整形外科関連病院である松本病院(加古川市)にて行われます。整形外科医として経験豊富な田邊院長に主治医となっていただき、手術にも全例入っていただいております。

わたくし、夢愛クリニックの織戸が執刀はもちろんのこと術後の初回創部処置まで松本病院スタッフと連携を取り、責任をもって治療させていただく形となります。

手術中の輸血

従来の人工股関節置換術には輸血を必要とするのですが、わたくしの方針として自己血貯血(手術前から患者さまご自身の血液をあらかじめ貯めておき、手術による出血を全てご自分の血液で補う方法)で行います。

感染(エイズ、肝炎等)の危険がない、GVHD(輸血した血液と輸血を受けた人との生体反応)の心配がない等、他人の血液の輸血で生じうる合併症を避けることができる利点があります。

手術後の傷跡

従来の一般的な手術法では20cm程度の傷を必要としましたが、わたくしが行う手術(MIS)では約3~5cmの2箇所の小さな傷跡で済みます。

また、術部周囲筋も全て温存されるため術後筋萎縮による陥凹は全く認められず、徐々に筋力も健常レベルに戻ってきます。

手術後の歩行

通常の人工股関節置換術と異なり筋腱切離を一切行わないため、術後2日目で歩行器で病棟トイレまで歩け、自己体交も可能となります。

3~5日後には杖を使っての歩行が可能となり、痛みの少ない状態で早期にリハビリができます。

退院後の通院

松本病院退院後、約2週間以内に当院を受診していただきます。

その後は定期的に当院で血液検査・レントゲン撮影等を行っていき、経過を見させていだだきます。

術前から股関節周囲筋力が低下している患者さまは、当院で理学療法士と運動器リハビリテーションを施行させてもらいますが大半の患者さまは通院リハビリを必要としません。